フィロソフィー動画は“会社の憲法”。軽く作ると逆効果になる
「そろそろ理念を動画にしたいと思っていて」
「会社の想いを、ちゃんと伝えたいんです」
こうした相談を、私たちはよく受けます。
とても大切な視点だと思います。
一方で、フィロソフィー動画ほど
“軽く作ってはいけない映像”はありません。
なぜなら、フィロソフィー動画は
単なる会社紹介ではなく、
会社の価値観や判断基準を示す“憲法”のような存在だからです。
もしここが曖昧なまま、
きれいな言葉だけで作ってしまうと、
かえって逆効果になることすらあります。
よくある失敗
――抽象的・綺麗ごと・社員の実感がない
フィロソフィー動画で多い失敗には、共通点があります。
- 言葉が抽象的すぎる
- どこかで聞いたような綺麗なフレーズが並ぶ
- 社員が見ても「うちの話じゃない」と感じてしまう
たとえば
「人を大切にする会社」
「地域に貢献する企業」
「挑戦し続ける組織」
どれも間違いではありません。
しかし、それだけでは何も伝わらないのです。
社員が心の中で
「それ、具体的にどの場面の話?」
と感じてしまった瞬間、
その理念は“自分事”ではなくなります。
フィロソフィー動画の前に必ず行うヒアリング項目
私たちフォーカスが、
フィロソフィー動画を制作する前に最も時間をかけるのが
**ヒアリング(対話)**です。
カメラを回す前に、
必ず以下の項目を掘り下げます。
① 創業の原体験
――何に怒り、何を守りたかったのか
まず必ず伺うのが、創業時の話です。
- なぜこの事業を始めたのか
- 何に違和感や怒りを感じていたのか
- 何を守りたいと思ったのか
多くの場合、ここには
**会社の価値観の“原点”**が詰まっています。
成功談よりも、
うまくいかなかった話や、悔しかった経験の中に、
本音が隠れていることがほとんどです。
② 組織の約束
――「うちが譲れない3つ」は何か
次に伺うのが、
「この会社として、絶対に譲れないこと」です。
- 利益よりも優先するものは何か
- 判断に迷ったとき、何を基準に決めるのか
- 逆に、やらないと決めていることは何か
ここで大切なのは、
数を絞ることです。
たくさん掲げるほど、理念は薄まります。
「これだけは守る」という3つ程度に絞ることで、
理念は初めて“判断基準”になります。
③ 現場の具体
――その価値観が表れる瞬間はいつか
理念が現場と乖離する最大の原因は、
具体がないことです。
そこで私たちは、必ずこう聞きます。
- その価値観が一番表れるのは、どんな場面か
- 最近、それを感じた出来事はあったか
- 誰の、どんな行動に表れているか
たとえば
「人を大切にする」なら、
・忙しいときにどう振る舞うのか
・ミスが起きたとき、誰がどう声をかけるのか
こうした“現場の瞬間”こそが、
理念を信頼できるものにします。
④ 未来
――5年後、何を残していたいのか
最後に伺うのが未来の話です。
- 5年後、この会社はどうなっていたいか
- 何が残っていれば「続けてきてよかった」と思えるか
- 次の世代に、何を手渡したいか
ここでは、
売上目標や数字よりも、
在り方を言葉にしてもらいます。
“言葉”を、どう映像に変えるのか
ヒアリングで整理された言葉は、
そのままナレーション原稿にはしません。
- 誰の言葉として語るのか
- どのシーンで見せるのか
- どの言葉を、あえて語らず映像で伝えるのか
ナレーション・テロップ・シーンを分解し、
**最も「嘘がない形」**を探します。
きれいに言い切るより、
少し間があった方が、その会社らしい場合もあります。
映像は、
理念を飾るためのものではなく、
現場の空気を伝えるためのものだからです。
まとめ
――理念は、現場の具体があって初めて信頼になる
フィロソフィー動画は、
「作ること」自体が目的ではありません。
- 社員が迷ったときの判断基準になるか
- 外部の人が「この会社らしい」と感じるか
そのためには、
綺麗な言葉よりも、
現場の具体と、語られてこなかった本音が必要です。
理念は、
現場の言葉に裏打ちされて初めて、
信頼されるものになります。
フィロソフィー言語化セッションのご案内
株式会社フォーカスでは、
フィロソフィー動画の前段階として、
**「理念を言語化するための対話セッション」**を行っています。
映像を作るかどうかは、その後で構いません。
まずは、
- 何を大切にしてきたのか
- 何を譲れないのか
- 何を次に残したいのか
その話を、聞かせてください。
理念の“映像化”は、
必ず“言語化”から始まります。
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